【学振】採択される申請書の書き方のポイント~前編~

学振 研究生活
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学振結果発表の時期ですね。
もう1年以上も前の話ではありますが、今後の誰かの役に立てばと思い、学振のコツについてわかりやすく書き残していきたいと思います。

少し長いので2回にわけて前編後編で書いていきたいと思います。

博士学生の生命線ともいえる学振ですが採用率は未だ2割弱、そんな学振ですが僕の研究室ではほぼ全ての博士学生が学振に採択された学生でした。自分も採択(DC1)されましたが、この準備をしている中で、「あ、これは受かるためのノウハウを知っているかどうかがデカイ」と思うようになりました。成果主義であることは否めませんが実際に論文ゼロでも採択されている学生も数名います。

申請書を晒す事は流石にできませんが、できるだけわかりやすく、説明したいと思いますので最後までお付き合いください。

学振とは

文部科学省所管の独立行政法人である「日本学術振興会」</b>が研究者に研究奨励金および科研費を与える制度を指します。
研究奨励金がいわゆる給料(生活費)になります。
加えて科研費を得ることができて、こちらは科学研究費助成事業の略称であることからもわかるように、自分の研究に使えるお金となります。

学振は申請時期によって主に三種類があります。

 

 

 

 

 

 

今回はDCについての申請書の書き方について解説していきます。
(PDに申請するのはまだかなり先の話なので経験してないことは述べられない)

この学振の採択率は近年あがっているものの約15%~20%と狭き門にはなっています。
同じ博士学生を志す者同士の戦いになるので強者同士の戦いになります。

この学振に落ちてしまえば生活費も手に入れられないのでバイトなどをして自力で生計を立てなければならないのでかなり苦しい学生生活を余儀なくされることになります。
(もちろん返済免除を狙って奨学金を借りたり、他の給付金に申請することはできますが、)
アルバイトをすることは研究の時間を削らなければならないことを意味します。研究時間確保のためにも、博士課程に進学するならぜひとも申請しておきたいところです。

僕の学振採択までの流れ

 

 

 

 

 

 

<学振提出までのスケジュール>
3月頭 会社を退職する。
3月下旬 学振申請書「これまでの研究内容」「研究成果」「研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等」欄を記入。
4月上旬中旬 新たな研究テーマの立ち上げと先行研究を徹底調査
4月下旬 学振申請書「これからの研究計画」欄を記入。
5月上旬 最終確認 提出

僕は昨年度の3月に会社を退職して4月より東京大学大学院に研究員として所属しています。
僕は修士までいた研究室とは全く異なる研究室に所属することになっために当然自分の研究テーマはこれまでやってきたことと大きくかけ離れることとなりました。そんな難しい状況でありましたが、僕は自信をもって新たな研究テーマを記載した申請書を提出し無事に学振採択をいただきました。

会社を辞めてから、5月の頭に学振提出だったために時間的に焦る部分もありましたが、多くの方からいただいたノウハウを駆使したために短期間で質の高い申請書を作製できたと感じています。
今回は僕なりに学振採択のためのノウハウをまとめたのでこの記事を読んでいただいた方が一歩でも学振採択に近づくための糧になればと思います。

学振採択に有利な条件 論文・学会発表は?

前提条件となりますが、修士までで研究成果を残すことは学振採択で戦う上で非常に有利なものになります。特に第一著者としての論文(査読付きが望ましい)については2つあればほぼ合格レベルまでいきます。
僕の場合はDC1に提出することになりましたが、国際誌2報と学会発表3回というのが大きな武器になりました。修士2年の状態でここまでの成果を持つ人は極めて稀有なため、僕の戦略は非常に功を奏したというわけです。
なにはともあれ論文は必須ではありませんが、かなり重要な項目です。修士の早いうちから先生に執筆する意思を伝えておきましょう。

ただ、これで決めつけてほしくないのは、論文執筆がなくても学振採択の可能性は十分あるということです。
特にDC1の場合は論文を書いていない人の方が多いためいかにうまく研究内容について書けるかがポイントになります。実際に僕のラボの友人でも論文ゼロだったにも関わらず今年度採択をもらっています。
ただ彼は指導教官から徹底した申請書の作製を求められていてその質ははるかに僕のモノを上回っていると感じるほどでした。

だから決して落胆することなく、質の高い申請書によって採択を目指す道を目指しましょう。

学振申請書:「研究成果」欄の書き方

それでは実際に学振申請書の書き方について説明していきます。
1から順番に書いてもいいのですが、僕のように博士課程から研究室を変えるという人もいると思うので僕が書いた順番に説明することにしました。
「研究成果」欄はこれまでの研究成果を箇条書き式に記載する箇所になります。

大切なことは「自分がやりました」ということと「その成果」と「自分なりに工夫したところ(オリジナリティー)」を上手く際立たせることです。
英語の字体はTimes New Roman、日本語の字体はMS明朝を使っています。
✏チェックポイント
□論文・著書の記載方法は統一する。自分の名前、Journalは太字や下線で強調する。
例。
1. 本人名1, Bko Gakushin1, Cko Gakushin2,3 “論文タイトル”, ジャーナル名, 巻, ページ (年度)
注:(著者の所属)1 ~大学大学院農学研究科

□論文記載の際は査読のありなしを忘れない。

□学会発表も上記と同様記載方法を統一する。

□その他にはTAの内容や研究を通じて行ったささやかな活動についても記載する。

成果は正直に書くしかないので、審査員が一瞬で自分の名前と何をやったかが見つけられる構造に整えておきましょう。

学振申請書:「研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等」欄の書き方

こちらは学振申請書の最後の記載項目になります。いわゆる就活のエントリーシートに書くような志望動機と自己PRになります。これはあくまで僕の予想なんですが、この項目自体は採用不採用を決める上でそんなに重要項目ではないように思います。なぜならば、学振の採用基準はほぼ間違いなく、研究者として優れているか、価値のある研究を行うことができるか、に重点があるからです。
なのでこの項目の文章がどれだけ熱く書かれていても、それはあくまで表面的なものにしかならないのです。
もちろん、最後の判断基準にはなると思うので手を抜くのはよくないですが、かける時間としては研究内容についての項目にエネルギーを注ぐべきです。

✏チェックポイント
□自分がこれまで培った経験、研究生活で築き上げられてきた価値観を述べているか。

□研究室の変更、企業からアカデミックへのカムバックは論理的に述べられているか。ここが納得できる内容になっていると強い。

□結論ファーストでかけているか。なぜ研究職がいいのか→その理由を経験ベース、価値観ベースで記載する。

□重要:泥臭くがむしゃらに研究をしてきたアピールのしすぎには注意(最近あまり好まれない)。

□上手く箇条書きを用いると分かりやすく読みやすい。僕の場合は目指す研究者像を箇条書きにして書くことで漏れなくかぶりなく理想像を説明することができた。

□自己PRにおいて研究遂行能力とだけ言及するのは危険。博士に進むのだから研究遂行能力は高くて当たり前。これを書くなら、どんな部分が研究遂行能力として特に優れているのかより一段深い部分で自己PRを行う。

□太字などの強調は本当に大切な箇所のみで十分。大体3~5箇所くらい。

学振申請書は計画的に書こう

前半はここまでにしたいと思います。
前半で紹介した2つの項目は研究がまとまってなくても書ける項目かつエネルギーをそこまで注がなくても大丈夫(注ぐべきではない)な項目です。
なので出来るだけ早くからこの部分については記入を始めることを推奨します。
後半ではより大切な研究内容についての項目の書き方について説明いたします。

それではまた。

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